その中で最多の出演回数であると思われる、皆さんご存知の中島誠之助氏の本である。
「いい仕事してますね」の台詞はあまりにも有名だ。
さて、この本を読んでから、中島誠之助と言う人物の事を何も知らなかったのだなと思った・・・
考えてみたら、それもそうである。
何故なら「なんでも鑑定団」で観るのは鑑定をしている姿と、作品についての見識を語っている姿が殆どであり、中島氏個人の考え方や、経験、骨董に対する想い等は語られないからである。
テレビの中でしか中島氏を知らない私は、本書を読み終えたときに、中島氏の骨董品に対する真摯な思いを感じた。
題名の、「ニセモノ師たち」の通りに偽物に関連するエピソードが色々と書かれている。
中には、こんな手法で騙して来るのかと驚く事もあり非常に勉強になった。
安く買いたい購入者と、高く売りたい業者、騙し騙され恐ろしい世界である。
今ではさらに技術が上がっているため判り難いと言うが、確かにそうだろう。
刀装具の世界でも巧妙な偽物が出回っているし、ネットオークションなど現物を見ない取引は危険である。
エピソード内で、これは酷いと言うような話でも、何故かあっさりしている読後感で、気分を害されない、中島氏の語り口がそうさせるのだろう、爽やかですらある。
小気味良い読み口でサクサクと読み進んでしまう。
この本は非常にお勧めである。
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