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2024年1月19日金曜日

山漫画の金字塔【孤高の人】の感想・レビュー(ネタバレあり)


------危険だから、危険でないとか、技量等をもって単独行を云々することはできない。単独行をしたい人こそ単独行をすべきであり、またさういふ人こそ単独行をなしうる第一の資格がある。-------単独行者よ、見解の相違せる人のいふことを気にかけるな、もしもそれらが気にかかるなら単独行をやめよ。 単独行 加藤文太郎(かとうぶんたろう)/1941



孤高の人 全17巻 坂本眞一 (著), 新田次郎 (著) 


巷に登山漫画の名作は多数あるが、今回は山岳漫画の名作「孤高の人」の感想を書く。


登山を題材に漫画にしたものは沢山あるが、そのTOP3を選べと言われたら多くの人が選択しそうな作品である。

しかし他のレビューを見ても否定的な意見は一定数あり、好き嫌いがはっきり分かれる作品とも言えます。

この作品は前編と後編で作風が違うし、主人公に感情移入できないとも言われ評価が分かれる所以でもある。

実在の登山家をモデルにしているが、原作は昭和初期に実在した孤高の登山家・加藤文太郎をモデルにした山岳小説です。

ちなみに小説と漫画は時代も違うしストーリーも違います。


漫画に話を戻すと、主人公は強烈なコミュ障で独りを好む性格なのだが、中盤あたりは陰湿、陰鬱な人物が多く登場し、人の汚い所を凝縮して表現したような場面が多数あり心をえぐられます。

高校時代の友人が手段を択ばないクライミングをして、文太郎の金を盗む姿は切なすぎて心が痛い…

高校時代のアイドルポジションの子は風俗嬢になっておりヤリマン化、しかも同じく文太郎の金を盗むという…

文太郎、金盗まれ過ぎ。



同じ山岳漫画の「岳」とは正反対と言ってもいいだろう。

「岳」の主人公である島崎三歩は、明るく陽気で誰とでも仲良くなれる人物だが、「孤高の人」の主人公である文太郎は後半では幾分かマシになるが、暗く、独りで、自分の意見も言えない様な人物に描かれている。


昔の登山界では「ソロ」「単独行」は危険という代名詞であり、クライミング界隈では言わずもがなである。

ソロ、単独行は今でこそ雑誌で特集されたりしているが、20年位前では考えられないのではないだろうか?

というより、登山自体がガイドを雇って山行するインテリ金持ちの道楽のような位置付けだったみたいだ。



序盤で「街の明かりを見て安心する人間だけじゃねぇんだ」との台詞があるが文太郎という人物を簡潔に表した表現だと思う。


序盤の文太郎は孤独だ…

孤独は嫌なのに他者と相容れない様子が描かれている。


後半の文太郎は結婚して子供もいるが孤高の存在になっている。


孤高と孤独は違う。

前半の文太郎の対比として、後半の文太郎は嫁が居る自宅の明かりを見て安心する様子が描かれており、街の明かりを見て安心出来ない人間から、妻子の待つ街の明かりを見て安心する人間になっている。


危険な山行からは離れている文太郎の前に、昔の知り合いが現れK2に一緒に挑戦する事になってしまう。

イカレ気味のパートナーと一緒にK2に挑戦するがその結末は…?

興味を持った方は是非漫画を読んで頂きたい。

登山する人、しない人、万人におすすめ出来る名書です。

2019年11月19日火曜日

隠れミニマリスト・・・範馬刃牙はミニマリストではなかろうか?

「キャオラッ!」

どうも、物欲に負け続ける男 a.k.a. だいこんおろし(@daikon999)です。

このブログを始めてから4年位経つのですが、ようやくカエレバを導入しました。
控えめに言って遅すぎでしょう・・・どれだけ機会損失していたのか考えるだけでも恐ろしいです。



さて、ミニマリストと対極にいるマキシマリストの僕は、ミニマリストに憧れています。

部屋には物が溢れ、買うと満足してしまうので同じ機能の物を複数購入するなんて日常茶飯事です。(最近引っ越して荷物はかなり処分して準ミニマリスト位にはなりました。)

僕は漫画も好きで、色々な漫画も読むのですが、漫画の中のキャラクターでミニマリストと言うと漫画版の『孤高の人』の主人公である森君が印象に残っています。

皆さんそうみたいで、漫画の中のミニマリストで「孤高の人の森君(主人公)」を上げる人が多いです。


もはや、森君レベルのミニマリストになると山に居ようが街に居ようが、彼がいる場所が室内!!

押し入れも無さそうなんで、生活必需品は全てバッグの中でしょうか?

恐ろしい男です…






森君も確かに素晴らしいミニマリストパワーです・・・

だが、僕は敢えて範馬刃牙を推したいです。


主人公である刃牙の家は、不良に恐れられていて落書きだらけです。
(腕力では敵わない為、不良でもいたずら書きしか出来ない。)



落書きのインパクトが強すぎて、刃牙の家の内部の様子はあまり記憶に残っていない方が多いのではないだろうか?


室内の描写もあるのだが、家具はかなり少ない・・・と思う。


地下にあるトレーニング用品は、あったり無かったりしているが、これについては刃牙のライフラインとも言えるべき物なので勘弁して頂きたい。



漫画内で、実際に確認出来た物を↓に箇条書きします。

●見切れた食器棚?
●食器類
●ふとん
●親父が破いちゃった「ちゃぶ台」
●冷蔵庫
●テレビ台(DVDかHDDデッキ&ディスクケース?も確認出来ました、まさかビデオデッキはないだろうと思われますが・・・)
●テレビ本体(オイオイオイ・・・しかもブラウン管だよ)
●カーテン


まぁこんなもんだろ…

今のハードコアミニマリストさん達からすると鼻で笑われそうですが、刃牙は連載当時からこの生活だと思います。

作中では何年経っているか不明ですが、刃牙はミニマリストの先駆けキャラと言っても差し支えないのではないでしょうか?

暇な人は刃牙のミニマリスト度をチェックしてみて下さい。


どっちかっつーとSAGAの方が室内のシーンが非常に多いのでチェックしやすいかも。

2015年8月25日火曜日

蒙古襲来。元冠を描いた数少ない漫画「アンゴルモア 元寇合戦記」(作者 たかぎ 七彦)の紹介です。



日本史上で国家滅亡の危機は幾度かあったが、その中でも1~2位を争うのは、やはり元寇だろう。

日本が植民地になるか、存在が消えてしまう程のヤバイ状態、正に「国難」の時であった。


1274年、元と高麗の連合軍は世界史上空前の大船団を擁して北部九州に襲来する。

いわゆる蒙古襲来である。

元寇、文永の役だ。



侵攻路にあたった対馬・壱岐は蹂躙され住民多数が殺されたり拉致されたことが今も伝えられている。

モンゴル軍は男女子供の区別なく極めて残酷な殺りくを繰り返し、耳や鼻をそぎ落とし、苦しみもがく様子を楽しんだり、生きながらにして、手に穴を開けられて数珠つなぎにされ、船べりに吊るされ、生きたままモンゴル軍の矢面にたたされた(人間の盾にしたんですな)・・・


単騎掛けをする武者に対して、集団戦法を繰り出してくるモンゴル軍。

戦術で大幅に劣り、数でも負けてる日ノ本武士が苦戦をするのは簡単に想像出来ます。


蒙古襲来は日本史における大大事件であり、元冠で日本が負けていたら、恐らく日本は現在存在していないでしょう。(と、私は思う)




漫画の紹介に話を戻そう。

本作では坂東武者・朽井迅三郎がモンゴル軍相手に奮闘すると言う御話である。

絵柄も内容も「皇国の守護者」がふとよぎるが、非常に読み易い。

これは難しくなりがちな歴史物を、読者に判り易く読ませる作者の器量と言うものだろう。


日本史の大事件である蒙古襲来は、私が知る限り殆ど漫画にはなっていない。

北条時宗の視点の漫画はあるが、対馬で戦う武者の視点をメインに書いた物は観た事ないです。



こんな渋い題材を突いて来た作者は手放しで褒めてあげたい(笑)


肝心の面白さは、バッチリです。

と言うか、つまらない訳ないじゃない!!

とりあえず騙されたと思って読んでくれ。


現在三巻まで刊行されている。

ネットで連載中なので気になる方はチェックしてください。

2015年8月12日水曜日

西条真二『鬼の作左』 一巻 を読んでの感想(ネタバレあり)



徳川家康の配下ではあるが歴史に明るくない人にとっては結構マイナーな武将であると思う。

そんな人物である本多 重次にスポットライトを当てた漫画である。


実は重次は日本一短い手紙として有名な作者でもある。

「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」

の文はあまりにも有名だ。


あまりにも荒い気性、その異形から別名を「鬼作左」という。



実際に、この漫画内での作左は強烈なキャラクターに書かれている。

姿を見てみても、ほぼ全ての手の指なし、片足無し、隻眼、顔の大きな十字傷、などである。


気性自体も、序盤から強烈で、漫画内では秀吉に頭を下げる家康を叱り飛ばし、ついでに秀吉にも激を飛ばしている。




一応の史実では下記である。

秀吉が小田原攻めに際し、浜松城に止宿した時、丁度旅から帰った作左は、旅装束のまま諸将の前を進み、家康のところに来ると、大声で罵った。

「殿はいつからかくも愚かになり候や。国主の城を人に貸す事や候。されば、女房をも人に貸し給わんか!」
困りきった家康は
「あれは本多作左衛門と申すもので、家久しく睦まじいのであんなことを言ったまで。無礼の段お許しあれ」
と秀吉に謝って事なきを得た。

とある。


さらに作左といえば、「火起請(ひぎしょう)」(鉄火)である。
日本で行われた神判の一種で、鉄火(てっか)・火誓(かせい)・鉄火起請(てっかきしょう)とも称する。赤く焼けた鉄(鉄片・鉄棒)を手に受けさせ、歩いて神棚の上まで持ち運ぶなどの行為の成否をもって主張の当否を判断した。(wikiより)

ちなみに成し遂げられない方は、殺されます。


漫画内ではド迫力に見事やり遂げてくれます。



こんな話を聞くと、とんでもない武辺者に見えるが、そこは流石の三河武士、内政でも活躍する切れ者である。

一巻の最後は中途半端に終わってしまうが、色々な逸話がバランス良くまとまっていて二巻を読むのが楽しみである。