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2024年12月26日木曜日

人は手に入れるより手放すことの方が大変だと思う

「人は手に入れるより手放すことの方が大変だと思う。」

この言葉は高城剛著の黒本に出てきた言葉である。


著者は荷物をほとんど持たないで全世界を渡り歩くノマドワーカーでありミニマリストだ。

「日本を離れて失ったものは何か?」の質問に対しての答えが上記の言葉である。


補足すると著者は、失うという風に考えるのではなく手放すと考えろと言っている。

「失う」はマイナスイメージが付きまとうが、「手放す」だと攻めの姿勢だ。

そこには自ら率先して手放したという気持ちが残る。


結構前からkindle unlimitedに入っているが、最近活用するようにしている。

こういった言葉があるから読書はやめられない。

高城剛著 黒本→https://amzn.to/3ZVfhGg


2024年1月19日金曜日

山漫画の金字塔【孤高の人】の感想・レビュー(ネタバレあり)


------危険だから、危険でないとか、技量等をもって単独行を云々することはできない。単独行をしたい人こそ単独行をすべきであり、またさういふ人こそ単独行をなしうる第一の資格がある。-------単独行者よ、見解の相違せる人のいふことを気にかけるな、もしもそれらが気にかかるなら単独行をやめよ。 単独行 加藤文太郎(かとうぶんたろう)/1941



孤高の人 全17巻 坂本眞一 (著), 新田次郎 (著) 


巷に登山漫画の名作は多数あるが、今回は山岳漫画の名作「孤高の人」の感想を書く。


登山を題材に漫画にしたものは沢山あるが、そのTOP3を選べと言われたら多くの人が選択しそうな作品である。

しかし他のレビューを見ても否定的な意見は一定数あり、好き嫌いがはっきり分かれる作品とも言えます。

この作品は前編と後編で作風が違うし、主人公に感情移入できないとも言われ評価が分かれる所以でもある。

実在の登山家をモデルにしているが、原作は昭和初期に実在した孤高の登山家・加藤文太郎をモデルにした山岳小説です。

ちなみに小説と漫画は時代も違うしストーリーも違います。


漫画に話を戻すと、主人公は強烈なコミュ障で独りを好む性格なのだが、中盤あたりは陰湿、陰鬱な人物が多く登場し、人の汚い所を凝縮して表現したような場面が多数あり心をえぐられます。

高校時代の友人が手段を択ばないクライミングをして、文太郎の金を盗む姿は切なすぎて心が痛い…

高校時代のアイドルポジションの子は風俗嬢になっておりヤリマン化、しかも同じく文太郎の金を盗むという…

文太郎、金盗まれ過ぎ。



同じ山岳漫画の「岳」とは正反対と言ってもいいだろう。

「岳」の主人公である島崎三歩は、明るく陽気で誰とでも仲良くなれる人物だが、「孤高の人」の主人公である文太郎は後半では幾分かマシになるが、暗く、独りで、自分の意見も言えない様な人物に描かれている。


昔の登山界では「ソロ」「単独行」は危険という代名詞であり、クライミング界隈では言わずもがなである。

ソロ、単独行は今でこそ雑誌で特集されたりしているが、20年位前では考えられないのではないだろうか?

というより、登山自体がガイドを雇って山行するインテリ金持ちの道楽のような位置付けだったみたいだ。



序盤で「街の明かりを見て安心する人間だけじゃねぇんだ」との台詞があるが文太郎という人物を簡潔に表した表現だと思う。


序盤の文太郎は孤独だ…

孤独は嫌なのに他者と相容れない様子が描かれている。


後半の文太郎は結婚して子供もいるが孤高の存在になっている。


孤高と孤独は違う。

前半の文太郎の対比として、後半の文太郎は嫁が居る自宅の明かりを見て安心する様子が描かれており、街の明かりを見て安心出来ない人間から、妻子の待つ街の明かりを見て安心する人間になっている。


危険な山行からは離れている文太郎の前に、昔の知り合いが現れK2に一緒に挑戦する事になってしまう。

イカレ気味のパートナーと一緒にK2に挑戦するがその結末は…?

興味を持った方は是非漫画を読んで頂きたい。

登山する人、しない人、万人におすすめ出来る名書です。

2023年11月16日木曜日

【ルポ 川崎/磯部 涼 (著)】読後感

 

どうも、物欲に負け続ける男 a.k.a. だいこんおろし(@daikon999)です。

 YOUTUBEもやっているのでよかったらチャンネル登録して下さい。 ↓ 





川崎を通り過ぎることはあっても川崎で遊んだ事はない僕にとっては、川崎は未知の場所だった。
本書を読んだ今でもそうで、川崎は通り過ぎるだけだ。




日本語ラップが好きなので川崎という町がどういう所かは、川崎をレペゼンするラッパーのリリックで知っている。
そこから受ける印象は治安が悪いというより、縦の繋がりのしがらみが多そうな印象を受ける。



「川崎のフッドスターは?」と聞かれたら僕はSCARSと言うし、A-THUG、STICKY、と答えるし、若い世代はBAD HOPと答えるだろう。

有名ラッパーを多数輩出する川崎という場所は、興味がない人にはわからないだろうがHIPHOPが根付いている。
通り過ぎるだけでも、街中にはタグやボムがあり、グラフィティも見れる。
ちゃんと見て周ろうとすると相当数発見できると思う。



BAD HOPは地元川崎にレコーディングスタジオを設立して全ての費用は無料だというのだから驚きである。
若手や地元に還元する姿勢は素晴らしい。


本書は、川崎のラッパーの多数のエピソードを掲載している、それだけでも日本語ラップが好きな人は買いだと思う。

本書を読んだ後↓のanarchyの動画を思い出した。



2023年11月5日日曜日

神田たけ志「氷壁の達人」の読後 「オロク屋」「サルベージ屋」について…

どうも、物欲に負け続ける男 a.k.a. だいこんおろし(@daikon999)です。

 YOUTUBEもやっているのでよかったらチャンネル登録して下さい。 ↓ 




今回は、神田たけ志「氷壁の達人」の紹介です。

当時、トップレベルの山岳会で「鉄の集団」と呼ばれた山学同志会を率いた男、小西政継氏を描いた本である。


本書の中に興味深い描写があった。

通称「オロク屋」「サルベージ屋」と呼ばれている山岳会が登場する。



髑髏のマークを掲げている実際に存在する山岳会は「東京緑山岳会」であり、本書もこの山岳会をモデルにしたのだろうと思う。

「東京緑山岳会」は名門中の名門であり、山岳会に詳しくない僕でも知っていた。
現在も勢力的に活動されているようだ。

最近では遭難遺体はヘリに吊るして下ろすが、昔は人が担ぎ下ろすしかなかったので、山のスペシャリスト集団である山岳会がやらねばならなかったのだろう…
色々と調べてみましたがお金を毟り取る様な情報は裏が取れなかったので、誇張された漫画的表現だと思う。

現在「オロク屋」は知る人ぞ知るといった感じでまともな情報は出てこない。

ただヤマレコでは当時の空気感が感じれた情報があった↓




そして、現在プレミア価格になっている本がある。


『山岳サルベージ繁盛記』《寺田甲子男》昭和40年(1965年)[朋文堂]  

なんと7万円越えもの金額である。

当時の実録手記で写真掲載もありとの事でプレミア価格となり高額なのだろう。

是非読んでみたい本です。

2020年12月7日月曜日

【デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場 /河野 啓】作者の素晴らしい取材力!!ファンやアンチの人こそ絶対に読んだ方がいい…


当初、亡くなった人をネタにする本が遂に出たかと思っており買うのも憚られましたが、あまりにも高い評価に惹かれ購入する事にしました。


栗城という人物の取材が主な内容ですが、周辺の人の証言の取材に至っては本当に頭が下がります。 とんでもない労力だと思います。  

残念なのは彼の一番近しい人達が取材に応じなかった事…(本を読んでください)

 筆者は栗城さんに本当に真摯に向き合っていると思います。
 そして過去の自分の行いも悔いています。

 いずれにせよ、栗城さん関連の本で本書を超える本は中々出てこないと思います。

僕は登山をして情報発信もしていますが、自分への戒めとして本書は終生持ち続けたいと思います。

 本当にこの本を読んで良かったです、ファンやアンチの人こそ読むべき本です。

2015年7月29日水曜日

【人が見たら蛙に化れ】村田喜代子 を読んだ感想  注意★ネタバレ有★注意

ネタバレ有なので大丈夫な方のみ御覧になってください。


































最後まで読んで思ったのだが、途中から読むのがしんどかったな・・・と言うのが正直な感想である。

内容は非常に面白いのだが、骨董業界の嫌な部分のみを書き出したようで気が滅入ってしまった。


特に旗師の女房が乳ガンになってしまう下りなんか、生々しくて私自身が参ってしまい、暫く読むのを止めてしまった位だ・・・

私事ではあるのだが、母親が乳がんになってしまい、去年亡くなったばかりだったので色々な事を思い出してしまった。



ストーリーは、それぞれに個性のある数人の主人公の視点から物語が進んでいくのだが、最後は誰も幸せにならない。


主人公によっては、いわゆるバッドエンディングです。

●信じていた女房が寄宿先の息子と浮気し、ばれたら失踪して、夫は別件で逮捕とか・・・

●旗師の女房が乳がんになり、夫は治療費のために詐欺して逮捕とか・・・


とにかく救われない。

旗師の所持金がガンガン減っていく様なんか我が事の様にヒリヒリしてしまったよ。

挙句に車購入のダメ押し・・・もうね何も言葉が出ない。



主人公らが商うのは超一級の骨董品ではない。

二~三級位の品を扱う、何処にでも居そうな骨董商である。

逆にそれが生々しい。

本書内で「わし等はマグロみたいなもんや」と言う台詞がある、仕入れして販売し続けなければ死んでしまうとの比喩であるが、なかなか的を得ている。




でも骨董業界人の真の姿を書き出したのかもしれない。



本書の中には骨董業界の裏方とも言える方々が出てくるが、中々興味深い、色々な人の手を経て一般人の手に渡るのだなと再認識することも出来た。


全ての登場人物に言える事かもしれないが、何故この仕事を選んだのか?そう聞くと、恐らく「自分が感動する品を商いたいから」と言いそうな雰囲気である。

勿論彼らはコレクターではない、商売人なので、手に入れた品を販売しなくてはいけないのだが、全編に渡ってその前提は崩れることが無い。



全編に渡り、人と人の欲をごちゃ混ぜにして擦り付け合う様なドロドロとした内容だが面白い事は間違いない。

鬱展開が嫌いな方は、読み進めるのに多量のエネルギーを必要とするだろう。



あとがきにも書いてあるのだが、筆者は本書執筆にあたって骨董商や周辺に取材したそうだが、話を聞けず苦労したそうだ・・・

そりゃそうだ、誰もそういう話は話さないよ、クリーンな業者はそういう話自体詳しくないだろうし、ダーティ(笑)な業者は絶対に話さんだろう・・・(無知を装って適当に誤魔化されるのが落ちでしょ)

しかし、こういう胡散臭さ、人と人が織り成すドラマも骨董の楽しみでもあるのは否定出来ない側面であると思う。

2015年3月3日火曜日

「ニセモノ師たち」中島誠之助を読んだ感想・・・ 




もはや国民的番組と言っても過言ではない程の長寿番組、人気を誇る「なんでも鑑定団」。

その中で最多の出演回数であると思われる、皆さんご存知の中島誠之助氏の本である。

「いい仕事してますね」の台詞はあまりにも有名だ。


さて、この本を読んでから、中島誠之助と言う人物の事を何も知らなかったのだなと思った・・・

考えてみたら、それもそうである。

何故なら「なんでも鑑定団」で観るのは鑑定をしている姿と、作品についての見識を語っている姿が殆どであり、中島氏個人の考え方や、経験、骨董に対する想い等は語られないからである。


テレビの中でしか中島氏を知らない私は、本書を読み終えたときに、中島氏の骨董品に対する真摯な思いを感じた。


題名の、「ニセモノ師たち」の通りに偽物に関連するエピソードが色々と書かれている。

中には、こんな手法で騙して来るのかと驚く事もあり非常に勉強になった。

安く買いたい購入者と、高く売りたい業者、騙し騙され恐ろしい世界である。



今ではさらに技術が上がっているため判り難いと言うが、確かにそうだろう。

刀装具の世界でも巧妙な偽物が出回っているし、ネットオークションなど現物を見ない取引は危険である。



エピソード内で、これは酷いと言うような話でも、何故かあっさりしている読後感で、気分を害されない、中島氏の語り口がそうさせるのだろう、爽やかですらある。

小気味良い読み口でサクサクと読み進んでしまう。

この本は非常にお勧めである。