2016年10月17日月曜日

あまり聞かない「故買(こばい)」の話し・・・盗難品と知らずに買取った品物の返還はしなくてはいけない?しなくても大丈夫?

古買とは・・・盗品であることを知りながら買うこと。窩主(けいず)買い。平成7年(1995)の刑法改正後は「有償譲(ゆずり)受け」という。


古物業者ほど、盗品に近い業者はいないのではないだろうか?


物を売るには仕入れが必要である。
業者の市の他に、御客さんからの直接の仕入れも大事な仕入れ元である。



しかし、仕入れにはリスクが付きまとう・・・仕入れた品物が盗品だった時だ…




本来は品物を買い取ったら、その品物を持ってきたお客さんの、名前、住所等を台帳に記載しなくてはいけないのです、これは古物商の免許を取る時にも必ず説明は受けるはず。

ある程度安心できるのが、顔写真の付いた身分証明書のコピーを撮る事でしょうか・・・
しかし、極まれに偽造の証明書を使い身分を偽り買取に持ち込んでくる方がいる。


勿論、持ち込まれた品は盗品である。


そのために、業者は注意して仕入れなければいけないが、人間のやる事なので完璧ではなく、意図しない内に盗品が紛れ込んでしまう事があるだろう…




暫くすると、「警察ですが、この品物はどちらから?」なんて来訪者が来るわけです。


「この品物は盗難届けが出ています」なんて事になったら非常に大変です。


●古物営業法には、買い取った品物が盗難品であることが判明した時点で、警察から提出の依頼があった場合、該当する品物を提出しなければならないと規定されている。

●盗難された被害者個人で業者に依頼しても、店側には応ずる義務がないので、まず断られるだろう。
盗難されたものが売られていることを確認した場合は、直接業者に申し出ても意味がない。
まずは盗難届を出した警察に「自分が盗まれた品物がリサイクル業者で販売されている」と連絡することである。
警察がその品物が盗まれたものであると確認した場合に、事件の被害品である証拠品保全と、業者に売却した人、即ち犯人の捜査のため店から提出を受け、その後、警察から被害品の確認が求められたあとに返還されるという手続きとなる筈です。

<古物営業法20条:盗品及び遺失物の回復>
古物商が買い受け、又は交換した古物(商法第五百十九条 に規定する有価証券であるものを除く。)のうちに盗品又は遺失物があつた場合においては、その古物商が当該盗品又は遺失物を公の市場において又は同種の物を取り扱う営業者から善意で譲り受けた場合においても、被害者又は遺失主は、古物商に対し、これを無償で回復することを求めることができる。ただし、盗難又は遺失の時から一年を経過した後においては、この限りでない。

つまり、古物商やリサイクルショップが「事情を知らずに品物を取得した」場合であっても、1年以内の盗難・遺失物については、被害者から無償で品物の返還を余儀なくされますよ・・・という条文です。


ちなみに質屋にも、同じ内容の法規があります。(質屋営業法第22条)


法律上はこうなっているのですが、これじゃあ善意の古物商や質屋が丸損です・・・


お店側は全く非がないのに、無慈悲ですね。

ということで・・・警察の実務では、「盗難品を返還してもらえるが、お店が盗難品を買い取った額の半分を盗難された被害者も負担する」形になるように、お店と被害者の間で譲り渡し価格を協議してもらうケースも多いそうです。


成る程、上手くできてるもんですね・・・

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