2017年1月23日月曜日

なんでも鑑定団で以前鑑定した「曜変天目茶碗」国宝級茶碗に曜変天目の再現を目指すプロ陶芸家が「どう見てもまがい物」と発言!


今年で放送開始から23年目を迎える、テレビ東京の看板番組『開運!なんでも鑑定団』(火曜夜8時54分~)。常時2ケタ視聴率を記録する同局きっての人気番組に、思わぬ大騒動が持ち上がっている──。
〈『なんでも鑑定団』始まって、最大の発見ですね〉
〈国宝になっていたかもしれない大名品です!〉
 番組内でこう高らかに宣言したのは、レギュラー出演する古美術鑑定家の中島誠之助氏だ。
 昨年12月20日の同番組では、世界に3点しかないとされる中国の陶器「曜変天目茶碗」の“4点目”が新たに見つかったと放送された。
 この茶碗を持ち込んだのは徳島県のラーメン店店主だった。“お宝”は明治時代に大工をしていた店主の曾祖父が、戦国武将・三好長慶の子孫の屋敷を移築した際に大枚をはたいて買い求めたもの。25年以上も押し入れの“肥やし”になっていたが、気になって番組に鑑定を依頼したという。
 この世紀の発見を、テレビ東京は放送前から〈番組始まって以来のお宝が大発見される様子が放送されます〉と書かれたリリースを各メディアに配布するなど大々的に告知した。『坂本龍馬の手紙2通(4000万円)』、『マリリン・モンローが身に着けたイエローダイヤモンド(1億5000万円)』など、過去に番組が発掘した数々の逸品を上回る「驚愕のお宝」の登場に俄然期待は高まった。
 放送では、いつものように中島氏が虫眼鏡を用いてじっくりと茶碗を鑑定した。司会の今田耕司が「オープン・ザ・プライス!」と声をかけると、電光掲示板に示された数字は「25,000,000」。番組最高額(5億円*)にこそ達しなかったものの、鑑定結果にスタジオはどよめきと拍手に包まれた。
【*番組史上最高額を記録したのはドイツで発掘された柿右衛門様式の壺=2005年9月27日放送回だった】
 鑑定後、中島氏は「曜変天目に間違いございません」と断言。「信長、秀吉、徳川家康が持ってさらに現代に伝わっていれば、国宝になっていたかもしれない」と解説したのである。
 南宋時代(12~13世紀)の中国で製作された曜変天目茶碗は、“星々”を思わせる美しく輝く模様を持ち、「茶碗の中に宇宙が見える」と評される。完全な形で残るのは世界で3つとされ、すべて日本に現存する。それらはいずれも国宝である。番組放送後、“4つ目の国宝発見”となる大ニュースを新聞各紙は「幻の陶器発見」と相次いで報じた。
 だが、この大発見に異を唱える専門家が現われた。窯業で知られる愛知県瀬戸市在住の陶芸家・九代目長江惣吉氏である。長江氏が語る。
「番組を見ていて思わず絶句しました。どう見ても中国の商店街で売っているまがい物にしか見えなかった」
 曜変天目の美しさに魅了された長江氏は、製造方法が未だ解明されていない「幻の陶器」の完全再現に親子二代にわたって挑んでいる。これまで長江氏は中国に28回赴き、現地研究者との交流を重ねてきた。昨年、NHKがその活動を番組で特集したほどの「曜変天目のプロ」である。
 その長江氏が鑑定品を「偽物」と判断する最大の根拠は「光彩」だ。
 曜変天目茶碗は、鉄分などを原料とする釉薬をかけて焼かれる。最大の特徴は、前述したように茶碗の内側に広がる鮮やかな光彩であり、光と見る角度によって輝き方がガラリと変わる。
 徳川家康など時の権力者にも愛でられたとされる逸品だが、今回鑑定された茶碗には「肝心の輝きがない」と長江氏は指摘する。
「そもそも“曜変”とは“光り輝き、変幻する”を意味します。本来、曜変天目の釉薬には天然材料が使われており、焼き方によって色合いが変化して、ブラックオパールのように鮮やかな光彩が発現します。
 しかし、鑑定団で紹介された茶碗は変幻する光彩ではなく、単に赤、緑、青などの釉薬がそのまま発色したものに見える。これは東洋的な味わいに欠ける」
 鑑定品は色合いから見て、18世紀以降に作られたものだと長江氏は推測する。
「おそらく、ヨーロッパで18世紀以降に開発された陶磁器釉薬用絵具の『スピネル顔料』を塗り付けて発色させたもので、私は描彩天目と呼んでいます。時代からみても宋代の作品ではありません。器の外側に雲のような模様が出ていることも不可解です。国宝の曜変天目には、器の外側にほとんど模様がありません。鑑定品のような茶碗は今も福建省の建窯周辺にある“倣製品工房”で大量に作られており、2000~3000円で購入できます」
 中国陶磁考古学・陶磁史の世界的権威で沖縄県立芸術大学教授の森達也氏も「実物を見ていないのでその点は不正確ですが、映像を見た限りでは本物である可能性は低い」と話す。
「鑑定品の裏に記された『供御』という文字について、番組で“将軍が使う陶器に彫る文字”との説明がありましたが、この文字は中国で彫られるもので、日本にある伝世品で『供御』と記されたものを見たことがありません」
出典※週刊ポスト2017年2月3日号

結構記憶に新しい方も多いのではないだろうか?
期待した割には2500万と言う低金額でこんなもんかと思った記憶がある。
私は、確かに曜変天目にある独自の発色が弱いのが気になったが、スタジオの照明のせいなのかなと思っていた…
他の三個の曜変天目茶碗は発色も良く、明らかに綺麗である。
ただ、発色が良くない為に2500万なのかな~?とも思った。
ツイッターや他の視聴者も偽物ではないか?とか言う意見が多数あったが、私も本物なのかなぁ??。

長江氏は実物を見て無い様だが、やっぱり実物見ないと判断は出来ないですよ。
カメラや、照明で幾らでも変わっちゃいますからね、しかも見えないアングル、立体感も細かくは解らないのだし…
実物を見て感じる骨董独自の時代感や雰囲気もあるでしょう。
画面越しでは実物の雰囲気の何割かしか伝わってこないです。

しかも、なんでも鑑定団では以前同じような事で揉めた事があり、西洋アンティークの人が降板になっている。
同じ過ちをしないように、番組で複数人による鑑定や科学鑑定もキチンと行なっている筈だし、あの中島誠之助氏が本物で間違いないと太鼓判を押しているのである!
本物か?偽物か?現時点ではハッキリとしていないが、ハッキリとした時には、中島氏か長江氏のどちらかが完全に信用を失うであろう!!
この業界、信用が全てであるといっても過言ではない…
敗れた方は完全に信用を失い、仕事自体無くなるでしょうね。
「溺れている者がいれば、更に棒で突いてやれ!」と言うのがこの業界である。
個人的にはこの結果非常に気になる…

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