2020年1月17日金曜日

SEEDA映画【花と雨】を観た感想。ヘッズが解説。ネタバレあり。


どうも、物欲に負け続ける男 a.k.a. だいこんおろし(@daikon999)です。

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今回は本日公開された映画【花と雨】を観てきました。

待ちきれなかったので朝一番でな!!




監督は土屋貴史さん。

主演は笠松将さん。

原案/音楽プロデュースがSEEDAさんです。

ヒップホップMC、SEEDAのアルバム「花と雨」を原案にした青春ストーリー。
周囲になじめない若者が、ヒップホップによって困難な現実を乗り越えようとする。

そんなストーリです。



今回主演の笠松くんの ニート東京での動画を見て、僕自身バトルキッズではないですが昔ながらのヘッズとして観なければいけないと言う事で、正月太りで100㎏近い巨体を動かして映画を鑑賞してきました。

本当は舞台挨拶がある渋谷に行きたかったんだけど所用があり朝一番で近場での鑑賞となりました。

SEEDAさん、笠松さんらに会いたかったよ・・・

かなりのネタバレを含みますので気になる方は、ここでバックしてください。











ここから感想&ネタバレです。



冒頭から 風力発電所の空撮撮影から始まり 非常に綺麗な情景的な景色になってます。

で、そこから笠松君が運転する車に向かってズームアップして回想に入ります。

この映画全体に言える事ですが映像が素晴らしいです・・・全体的に映像が非常に綺麗で尚且つ構図の切り撮りが上手い。

土屋貴史監督は今までMVを中心にやってきた方ですので、そういった事は得意なのでしょう。

作品の大部分にわたって撮られているのが、東京のシーン、ラッパーとしてのシーン、ハスラーとしてのシーンなんですが、情景が切り撮られていてどれも素晴らしいです。

これだけでも、映像作品をちょっと見てみたいっていう方にも非常にお勧めですね。

ちょっと他の監督とは毛色が違ってます。

いい意味で他の邦画とは全く違うような感じの印象を受けました。



実際の作中としては、非常に閉ざされたコミュニティの中でのシーンが多いと言うか・・・

冒頭、子供時代はロンドンからスタートしてまず公園のサッカーシーンでサッカーが上手いSEEDAは地元の子供に差別されるわけです。

ここでSEEDAのファンであれば以下のリリックが思い浮かびます。


地元のガキと公園でfootball これができりゃ問題無さそう
子供ながら思い出す晴れの日 曇りがちな空また雨の日
アジア人だからできなかったこと
日本人だからstick upされたこと
人種や宗教文化もろとも育ちながら感じ取ったロンドン
たれ目つり目指とって言葉は「Japanese, Chinese, English」ってまたか

LIVE'and LEARN/SEEDA



場面が切り替わり家庭の事情で日本に渡たりますが周囲には馴染めません。

お姉さんの台詞で「日本の人達って足引っ張る人ばっかりだよね。パパとママも日本来てから変わっちゃったし・・・」ってありますが、僕も同意します。

日本でもSEEDAは群れに馴染めず、異物を排除するが如く、村八にされます。

ここら辺で絡んでくる嫌な奴ら3人組がいるんですけど、まあ中々良い味を出してると言うか・・・進学校に居る様な陰湿な不良と言った感じですね。


SEEDAも学校という社会から早々に退場してラッパーへの道を歩み始めますが、海外を目指すSEEDAと相棒であるトラックメイカーとは意見が合いません。

「まずは、日本で足元を固めてから海外に出るべきだ。」と言われますが、SEEDAは徐々にラップから離れて金儲けにのめり込みます。


結局、高校生活の冒頭で絡んできた金髪の子もドロップアウトして刺青だらけの体になっちゃうわけですが、結果的にSEEDAはMCバトルで負けてしまうんですよね。

ラップバトルで負ける辺りもちょっとリアルだなぁ・・・と。

あまりファンタジーっぽさが入っていないと言うか。

まぁ現実ってこういうもんだよね?っていうような感じのシーンが非常に多いですね。

まぁSEEDAが蹴りを入れてぶっ倒す手のひら返しのプロデューサーとか金髪の子もこれ以降、彼らは登場しなくなるんですよ。

全く絡みがなくなります。

多分、話としてはここら辺を掘り下げて盛り上げる事が出来たのかもしれないと思いましたが、それだと起承転結がハッキリしている面白みの無い映画になってしまうのかもしれないなぁ・・・と思いました。

映画【花と雨】はいい意味でも悪い意味でも起承転結が薄いと言うか・・・場面展開が早いです。

個人的にはもうちょっと個々のエピソードを掘り下げて欲しかった。



後は、演者の方々の演技も本当に素晴らしかった。

個人的には笠松君が実際にラップするシーンっていうのは結構少なく感じました。

僕は、何でだろう?って考えた時に、彼のラップが下手だとかではなく、恐らく監督自身の考えとして意図的に減らしたんだろうな、って思いました。

 恐らくですがヒップホップの事をあまり分かっていない一般人の方々に向けて観て貰いたい、分かり易くしたい、っていう意図があったんじゃないのかなと思ったんですよ。

でも、ヘッズであれば面白くなるポイントが散りばめられています。

サイファーの場面で、いきなりディスられて何も言い返せないSEEDAがマザ〇ァッカーしか言えなかったり。

不定職者のSKITとか。

ラップバトルのシーンは映画館の音響も相まって、そこに居るかのような迫力だったよ。

マジで鳥肌もんだった。



SEEDAと言えばハスラーライフのことを歌った曲が結構多いんでそこら辺も気になる方々多いんじゃないかなと思うんですが・・・

まぁ、例によって映画には沢山、と言うよりかは物語の大半を使ってそこら辺の描写はされています。(どうやって撮ったんだ?笑)

栽培もするし押しもしています。(何だったら職質時に食べて隠そうとしています笑 完全にテンパってバレて捕まるけど。)

押し引き共に、マジであるあるだと思います。


お姉さんとの関係性についても、一緒に日本の公園でジョイント回すのが印象的です。

調べてみたらロンドンって結構緩いらしいね。

ただ、SEEDAが逮捕される前に「まさか売人やるとは思ってなかった、そんな事やっちゃ駄目だよ」ってお姉さんに言われたのも印象的でした。


あと個人的にかなり来たのが、お姉さんが亡くなってしまった時のSEEDAが起こすアクション。

亡くなった後の描写っていうのかな・・・

笠松君の演技にグッと来てしまったんですよ。

身内や近しい人が亡くなった方は分かると思うんですが、いなくなった部屋に居るんじゃないかと確認したり、電話に残っている電話番号に掛けてしまうとか・・・

僕もありました。

電話も繋がるわけないし、部屋を確認しても居るわけないんだけど・・・頭では分かっているけどやってしまうんだよなぁ・・・

僕、感情移入しちゃって結構ウルッときちゃいましたね。

ただ、一言言えるのは笠松君の演技がなかったら多分ウルッと来ることもなかったんだろうなって思いますし、素晴らしい演者さんだと思いますね。



総評として、ヒップホップの事を何にも知らない一般人に見せてどう思われるかって言うとどうかな?

まず一般の人はSEEDAに感情移入出来ないでしょ?

普通の人ってラッパー目指さないし、ハスラー行為もしないでしょ?

尚且つ、ロンドン生まれで日本で育つっていう人自体あまりいないわけだし。

だから元々、主人公には感情移入し難いんですよ。

特にヒップホップに興味がない方は、ヒップホップネタが分かりにくいと言うか・・・

ヘッズであれば知ってる名前の方々もバンバン出てきますし、ヘッズであれば分かるネタも出てきます。

一般の方はそういった楽しみ方は出来ないでしょうね。



僕自身の感想としては、去年から【花と雨】が映画化されるって言うことで非常に楽しみにしてました。

今日が公開当日の17日なんですが、もう朝一番で行って観ました。

さらに言うと事前に席を予約して観ました。

言うなれば過大な期待がかかってる状態ですよ。

でもね、実際に映画を観終わった時に、「あぁ・・・観て良かったな」と本当に心から思いました。

【花と雨】のアルバムってもうクラシックじゃないですか?

J-HIPHOPを聴くのであれば絶対に聴くべきって言われているアルバムです。

恐らくこの映画も J-HIPHOPを聴くのならば絶対に観なくてはいけないって言われるクラシックになるんだろうなって思います。

正直言ってかなり良かった。

まぁヘッズから見てもちょっと粗い部分はあるんだけど、それを考慮しても非常に出来が良いと言うか、よく映像化したなって思いました。

僕は期待通りでした。

関係者の方々にBIG UP!!

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