勿論、骨董品においてであるが、私の手に渡る迄のストーリーや作者の思いなどを考え尽くすのが堪らなく好きなのである。
そして刀装具にはストーリーがある。
いわゆる伝奇物語がモチーフになっている刀装具も多いのである。
本来日本刀は身を護る武器であるのだから命と同じ位、いや、場合によっては命より大事な物であったに違いない。
そして刀身を纏う刀装具にも同じ位の精神性を求めたのではないだろうか。
例えば乾坤一擲の場面で己自身を鼓舞する為の刀装具の図絵であったりとか。
はたまた日常生活に置いて、生死の覚悟を忘れない為の図案であったりとか。
平和になった現代社会では無用の長物であるのだろう。
最近思うのが、そういう心構えや、精神性が、今の日本に欠けつつある物ではないだろうか?
物語の裏を読まないと言うか、深読みしないと言ってしまったほうが良いだろう。
時代の流れでありますよと、言ってしまえば確かにそうであるが、このまま日本人の精神性や、覚悟みたいなものがなくなって行ってしまうのではないかと思うと非常に寂しいものがある。
それが無くなってしまえば、日本の形をした別の国の様な気がする。
そして急にであるが、本の宣伝です。
刀剣金工図絵 江戸幻想奇譚である。
これさえあれば今迄意味不明の図案や、刀装具にまつわる伝奇もわかる代物です。
2000円とちょいと高めだが、現在でも新書で手に入れる事が可能なので是非刀装具勉強のお供にどうでしょうか??
金工や技巧について書かれたのは多いが、図絵の解説についての本は少ないのではないだろうか。
是非お勧めです。
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