【犯人は2~3人組ではないか?】
この事件において複数犯説というのはたびたび議論されています。
その最たる根拠となっているのが、犯人が侵入経路又は逃亡経路に使用したと思われる浴室の窓にあった網戸です。
事件以前は二階の浴室の窓には網戸が取り付けられていたが、事件発生後には網戸は外され綺麗にフェンスへとキチンと立て掛けられていた。
それも被害者宅側ではなく、公園側のフェンスにだ。
ちなみに公園側にあったとされる足跡も、犯人のものだと断定できるほどハッキリしたものではなかったそうです。
犯人が単独犯の場合「犯人が投げて偶然フェンスに落下して立った」という可能性はほぼ無いと思う。
何故ならば普通に投げただけではフェンスには立たたず、また綺麗に立って置かれている為である。
「網戸が公園側のフェンスに立てかけられていた」この事実だけを考察すると、何故犯人は網戸を立て掛けたのか?という疑問がある。
考えられる可能性はいくつかある。
1、犯人が二階の浴室窓から侵入する時に網戸が邪魔になり網戸を外した。
しかし網戸を投げて下に捨てると音が出ると思った犯人は網戸を持ったまま再度地面まで下りて公園側のフェンスに網戸を立て掛けた。
2、犯人が逃走時に浴室の窓を使用し、網戸が邪魔になったので外した。
外した網戸は公園側のフェンスに立て掛けた。
3、犯人が二人組の場合ではあるが、犯人の一人が二階の浴室の窓から侵入する時に網戸が邪魔になり下で見張りをしていた人物に手渡した。
手渡された人物は公園側のフェンスに立て掛けた。
細かく可能性を探ると上記以外にも沢山の例があると思うが、おおむね上記のいずれかの可能性が高いのではないだろうか?
個人的には2の可能性は無いと思っている。
一刻も早く現場から逃げたい筈であるのに、わざわざ網戸を立て掛けはしないだろうと思う。
これは立て掛けるという行為自体が「ある程度の余裕があり、緊迫した状況ではない」と思うからだ。
1に関しては単独犯であり、音を出さない事に細心の注意を払っていたのであればこの様な行動をしてもおかしくないと思う。
しかし2度手間になる行為であり、目撃者を作りたくない犯人は早く浴室内に侵入したかったのではないだろうか?
急いでいれば一回地面まで下りず、浴室からの侵入時に外した網戸も入れれば良いと思う。(網戸がサイズ的に入らなかった可能性もあるが…)
3に関しては複数犯の場合の例ではあるが、個人的には共犯者がいたのではないかと思っている。
具体的な人数は2~3人。
浴室の窓から侵入時に、下で見張りをさせていた共犯者に外した網戸を渡したのだと思う。
ちなみに「網戸が自然落下した」は無いと思っている。
1つだけ確かな事は人為的な力が加わっていると言う事である。
何故かと言うと、浴室窓から公園フェンスまでは、90cm程離れている。
窓の高さは地上から3m程あり、フェンスの高さは1m80cm程の高さだという。
自然落下するにしても90センチの幅を越えなければいけない。
さらに真下ではなく、1メートルくらい横に移動しながら綺麗に縦に着地しなくてはいけない。
これは明らかに人為的な力が加わったと言っても過言ではないだろう。
さて、「何故網戸を外したのか?」であるが、一つだけ間違いないのは「網戸が邪魔だから外した」だと思う。
何故邪魔になったかであるが…
●侵入時に引っ掛かった?
●網戸が固着しており動かなかった?
●動かすとギシギシとかキーという大きな音が出た?
辺りだと思う。
いずれにせよ網戸は外された。
この網戸はおそらく警察に証拠品として押収されている。
現在の宮澤家にはこの網戸が嵌っていないからだ。
報道では以下の様になっている。
●窓の真下の地面辺りから犯人の靴跡とよく似た大きめの足跡が発見されており、同じく窓の真下の公園フェンス付近の木の枝も折れていた。
特別捜査本部が検証した結果、若者なら2階の浴室から無理なく侵入可能なことが明らかになっている。(読売新聞 2002年12月28日付)
そして気になる事がある。
事件当日は換気の為に開けっ放しになっていたか、浴室の窓に鍵がかかっていたかは不明だが、写真を見る限りでは鍵がかかっていても容易に判断可能だ、もちろん昼間に限るだろうが…
しかし、浴室窓に鍵がかかっていたとしても、犯人が複数犯であれば簡単に解除は可能。
その理由と考察は後に記述します。
それでは、「犯人は2~3人組」だと言う僕の考察を実際の犯人の行動と照らし合わせて記述していきます。
犯人はみきおさんと顔見知りだと思います。(少なくとも最低一人は。)
尚且つ、事件前にもみきおさん宅に入ったことがある人物で、家の構造と家族構成を把握している人物だと思います。
報道ではみきおさん宅のスリッパから犯人のDNAが検出されています。
●捜査関係者によると、捜査本部が、スリッパに付着していた皮膚や汗などの微物を鑑定したところ、現場の床に付着していた犯人の血液のDNA型と一致することが確認された。
現場には宮沢さんらの血液が付着した犯人の土足の足跡が多数発見されたが、事件当日、スリッパで歩き回った跡は確認されておらず、犯人は事件前に宮沢さん宅を訪れ、スリッパを履いた可能性があるという。
( MSN産経ニュース 2011年12月29日)
と報道でありますが、当日スリッパを履いた可能性も否定できないと思っています。
何故ならば随所で犯人は痕跡を消しているのではないかと思われる節が感じられます。(理由は後述します)
そして家の構造を知っている人物との考察ですが、みきおさん宅と入江杏さん宅は外から見ると繋がっており玄関が2つある為、一見して二世帯住宅だと判別できます。
家の構造や家族構成を事前に知らなければ、逆に反撃される可能性があると考えるのが自然であると思います。
あと、防音されていて隣に音が伝わりにくい家だと言うのも知っていた可能性もあるかもしれません。
みきおさん宅は、みきおさんが設計しており入江杏さんの本の記載ではみきおさん宅では防音対策を施していたとの記述があります。
そして事件当日の入江杏さん宅では入江さんの長男が三階で就寝、入江杏さんと旦那さんは二階の実母の部屋の隣にて就寝したとの事です。
実母はテレビを点けっぱなしで寝てしまう事が多いので入江杏さんと旦那さんは耳栓をして寝るのが習慣になっていたそうです。
完全に眠りについたのが午前1時過ぎで、耳栓はしていたもののきっちりとはしていなかったそうですが、どれほど思い返しても変わった物音ひとつ無かったそうです。
しかし風がときどき吹く日であり、たまに風の音はしていたとの事。
よく言われる報道では、
●30日午後11時半から31日午前零時にかけて、宮沢さん宅で「ドスン」という物音がするのを近所の人が聞いており、犯行はこの時間とみられる。(2001年1月3日朝日新聞)
とあるが、この報道が何に基づいているかと言うと、入江杏さんの長男が聞いた「カタンという音を11時半頃に聞いたと思う」という証言だ。
この「カタン」という音は「べニア板をひっくり返すような音」だとの事。
長男は3階にて就寝しており屋根に小さな窓が付いている、そのため隣接する公園の音や、道路を隔てた公園を滑るスケートボードの音も聞こえてくる事もあったという。
しかし、のちに現場検証した結果、隣の物音は全くと言ってもいい程聞こえないというのが証明されたそうです。
【犯人の侵入手口の考察】
【浴室の窓に鍵がかかっていなかった場合】
・犯人が2人組の場合、犯人の一人(A)が浴室から侵入し、もう一人は下で侵入時の見張り役(B)。
↓
・(A)は浴室から侵入したらしばらくはその場で待機。
↓
・(A)の侵入を確認した見張り役(B)は正面玄関に行き家に入る。
(つまり、みきおさんと顔見知りで来客として入る)
↓
・(B)が入ってしばらくしたら(A)は礼君を襲う。
↓
・何らかの異変を察知し二階へと向かい階段を登るみきおさんを(B)が下から急に包丁で襲う。
注)みきおさんは太股を下から上にかけて刺されていた。
みきおさんのスリッパは階段途中で脱げていたが、2階へ逃げようとしたみきおさんを犯人が後ろから刺したとみられている。
つまり太股の傷はこの時に出来たのではないだろうか?
【浴室の窓に鍵がかかっていた場合】
・犯人が2人組の場合、犯人の一人(A)が浴室から侵入しようと試みるが鍵がかかっていて侵入不可、もう一人は下で侵入時の見張り役(B)。(この時に網戸を外したのかもしれない)
↓
・(A)は下に降りて暫く身を隠す。
↓
・見張り役(B)は正面玄関に行き家に入る。
(つまり、みきおさんと顔見知りで来客として入る)
↓
・(B)が二階にあるトイレを借りる。浴室はトイレの向かい側なので浴室の窓の鍵を開ける。
↓
・(A)が浴室の窓から侵入
↓
・(B)が何食わぬ顔で一階に戻ったら(A)は礼君を襲う。
↓
・何らかの異変を察知し二階へと向かい階段を登るみきおさんを(B)が下から急に包丁で襲う。
【犯人が三人組の場合】
・犯人の一人(A)が浴室から侵入し、一人は下で侵入時の見張り役(B)、もう一人の犯人(C)は玄関から入る(みきおさんと顔見知り)
↓
(A)の侵入を見届けたら(B)はその場から逃亡(通称 「飛び出しマン」)
逃亡は事前に定められていた事で逃走時の車両確保か、あまりの修羅場に恐ろしくなり逃亡したかのどちらか?
さて、浴室の窓から侵入したと仮定した場合、2つの問題が出てきます。
●「犯人が持ち込んだユニクロのエアテックジャンパーに擦った痕が無い」
●「風呂場の窓やサッシに摩擦痕が無く、繊維も付着していなかった」
風呂場の窓のサイズは高さ50cm、幅40cmであり何処にも擦らずに出入りするのは至難の業です。
遺留品のエアテックジャンパーに擦った痕がないとの事なので玄関から入った犯人が着用していたと思います。
遺留品のジャンパーに擦った痕がないと言うこと事態が玄関から入った事になるのでは?
「風呂場の窓やサッシに摩擦痕が無く、繊維も付着していなかった」
これについて、摩擦痕がないと言うのは不思議ですが、繊維に関してはもし付着していたとしても、風で飛んで行ったのではないかと思います。
犯行時間帯は「ときどき風の音がしていた」と入江杏さんの本に記述があったので風ではないかと…
浴室の窓から侵入したと報道され思われている根拠は、
●風呂の窓の近くの湯沸かし器の室外器に足を掛けたような跡があった。
●捜査員が現場検証したら、風呂の窓から侵入する事ができた。
です。
そして、全国の警察署に「世田谷一家殺害事件の捜査のポイントをまとめたDVD」を配布している。
その中に、「侵入経路は浴室の窓からだ」と、身内に配布する資料の中で述べている。
この件にかかわらず、一般的に報道されていない証拠を警察が発表していない可能性は大いにある。
【第3の凶器の存在?】
[2001年1月4日 産経新聞]
■遺留包丁と異なる傷型 犯人の血液はA型
東京都世田谷区の会社員、宮沢みきおさん(四四)一家四人が殺害された事件で、犯人は現場で見つかった包丁二本のほかに、第三の凶器を犯行に使った疑いのあることが四日、警視庁成城署捜査本部の調べで分かった。
これまでの調べでは、みきおさんと妻の泰子さん(四一)、長女のにいなちゃん(八つ)の三人には、上半身を中心にのどなど十数カ所を刃物で切られた傷があり、台所には犯人が持ちこんだとみられる真新しい柳刃包丁と、宮沢さん宅にあった文化包丁の合わせて二本が置かれていた。
司法解剖などの結果、みきおさんの太ももには斜めに深く刺した傷があり、残されていた二本の包丁でできたものよりも深く、形状も一致しないことが分かった。
このため捜査本部は、犯人が包丁のほかに鋭利で長い凶器を使って宮沢さん一家を襲ったとみている。
捜査本部では犯人がこの凶器を持ち去ったとみて特定を急ぐ一方、宮沢さん宅にこうした形状のものがなかったかどうか確認を進めている。
【剣鉈を警察は捜査していた?】
(2009/11/22 05:31)
4~5年前に鉈として買った刀と同種のものが、世田谷一家殺害事件で使われて販売元のリストから刀狩が行われました。我が家にも警察が来て出してほしいと言われた
https://okwave.jp/qa/q5466316.html
この第三の凶器の存在だが、警察は公表していないし報道自体が間違っているという可能性もある、後追い報道もないため参考程度にして欲しい。
【犯人が玄関から入ったかもしれない事について】
●犯行時刻、一階にいたみきおさんは起きており、電気がついていたとされている。
一階の電気は110番通報を受けた警察が到着するまでつけっぱなしになっていた。
●泰子さんは黒のスウェット上下姿、ブラジャーを付けていた。
礼君は横縞(青と黒)綿のハイネック+紺のトレーナー、白っぽいズボン。
にいなちゃんは黄色の上下?。
(入江杏さん著書より引用)
寝る時の格好であると思われる。
対してみきおさんは、黒のタートルネック、黒のズボンにベルトをしていた。
そして泰子さんがブラジャーを着用との事で、「ふだん寝る時にはブラジャーはしないと思う」「お風呂の後はブラジャーはしないと思う」と入江杏さんの著書にはある。
両名ともちょっとした来客には対応出来そうな印象を受ける。
特にみきおさんは、これから寝る前の服装とは思えない。
単純に就寝前か、来客の予定があったのか?
姉が色も鮮明ではないポラロイド写真にて判別したが、事件前に母、姉、泰子さんら三人で車でUNIQLOに一緒に行った、その時に購入した黒のタートルネックではないか?との事。
だとしたら寝間着にするには早すぎると思ったと…
そして子供たちは入浴後であると思うが、この様な年齢の子たちを一人で入浴させるだろうか?おそらく泰子さんが一緒に入ったと思うが、それならばなぜ泰子さんはブラジャーをしていたのか?
年末であり、やる事があったのかもしれないが来客があるからとも考えられないだろうか?
【犯人の遺留品】
●ユニクロ製「エアテックジャンパー」
袖口からは犯人の血液型と同じA型の汗が検出された、返り血は付いていなかったと報道されている。
●黒い防寒手袋
犯行時に使用された形 跡がなかった。
いずれも二階の居間(リビングで)発見されたが、犯行時には着用していないと考えられている。
そのため玄関から入った段階で脱いだのではないだろうか?
犯行終了後に二階の居間に放置したか?
【犯人の指紋、足跡についての考察】
NHKの未解決事件の特番では9個の指紋ありと報道。
他の報道等では10数個の指紋があると報道されているが、いずれもこの様な犯罪にしては少なく、犯人は手袋をしていたと考えられるが、指紋自体が偽装、わざと残した可能性がある。
足跡についても40個ありとの報道があるが、指紋と同じく明らかに少ない物であり、意図的に残されたか偽装の可能性がある。
この事件について一番気になったのが水を張った浴槽内に色々な物を投げ込んでいたという点である。
過去にもブログで記事&動画にした事があるが、指紋が残っている期間は、付着している物質と周辺の保存環境によって大きく変わる。
ガラス、プラスチック、ビニール、金属などは2~3ヶ月程で指紋が消えてしまい、屋外だと乾燥や直射日光による紫外線の影響で2~3週間で消えてしまう。
さらに、雨に濡れてしまったりすると、すぐに消えてしまう。
紙類は、何十年でも指紋が消えずに検出することができるが、これも直射日光のあたる場所やカビの生えるような湿気の多い場所だと、おおよそ1~2年で消えてしまう。
いずれにせよ水に濡れると指紋は消える。
浴室には事前に水が張ってあったのか、犯人が水を張ったのかは不明だが、犯人は指紋は水に消えると言う事を知っていたのではないか?
知っていたからこそ一階の引き出しを二階に持って行って書類等を浴槽内に入れていったのではないだろうか?
【計画的な犯行】
犯人は狡猾で事件の流れを完璧に計画していた可能性が高いと思っています。
そして残留している多くの遺留品はあたかも単独犯に見せかける様な印象操作が行われている気がしてなりません。
ちなみに報道では…
●発見時に玄関の扉の鍵は閉まっていた。
また、玄関のドアのノブなどから犯人の痕跡(指紋や血痕など)も発見されなかった。(毎日新聞 2001年1月29日付)
一方で、玄関の痕跡については、駆けつけた警察や救急隊員によって踏み荒らされてしまったという報道もある。
事件判明直後と思われる写真を見て見ても玄関の道路前に多くの捜査官がおり痕跡は完全に消えてしまったのではないだろうか?
そして室内にばらまかれていた服や書類類は痕跡を消すためにわざとしたのではないだろうか?
書類や服を足で踏んで雑巾の様に床に擦り付けて痕跡をふき取ったとかは考えられないだろうか?
上記の様な考察を基に犯人像を考えると、一見滅茶苦茶な犯人の行動にも目的がある様に感じられる。
ちなみに興味深い足跡の採取方法が乗っていたので下記に引用します。
↓
足跡採取の方法はさまざまだ。
土砂面などへこんだ場所では石膏を流し込み、室内では粘着シートを使う。靴の裏にはどうしても小さなホコリがつくので、平らな床だけでなく、絨毯や畳の上であっても、帯電シートをかぶせて静電気をあてると、歩いた靴底の形のままにホコリが浮かび上がる。
それを粘着シートなどに転写して密封するのだ。専用の資器材も小型化と精密化が進み、採取できる場所の幅は広がっている。
「日本は足跡について世界一の技術を持っている」と誇る。
「日本人は土足で室内を歩かない。現場に靴底の痕があったら、犯人のものである可能性が高い。そういう背景が優れた技術の発展につながっている」
https://www.sankei.com/premium/news/160503/prm1605030021-n1.html
【考察】
●犯人は複数犯2~3人。
●事前に計画された犯罪。
●単独犯に印象付けする様な偽装工作がされている。
●少なくとも犯人の一人以上はみきおさんの顔見知り。
●下側から引き出しを開けていく手口や、指紋を残さない知識があるとすれば犯罪慣れしているかのような印象を受ける。
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