蔵書を何の気なしに捲っていたら、ハラリと冊子が落ちてきた。
初めから入っていたのだろうが、購入してしまえば満足してしまい読むのも億劫になってしまうので、冊子が入っていたのだと気付くのに時間が掛かってしまった・・・
冊子なのに、情報が濃い。
何故これを冊子に書いたのか不思議な位だ・・・
「新版日本刀講座 6刊 小道具鑑定編(上)」 雄山閣出版 に入っておりました。
小道具鑑定編の上下巻は金工の系統が詳しく載っており、相関の把握に非常に役立っている。
勿論、相関図だけではなく、刀装具に関する事なら、ほぼ載っていると言っても過言で無いほどの情報量で、非常にオススメの書籍です。
では問題の鉄鍔の手入れについて・・下記に抜粋します。(文そのままを記載致します。)
●鍔の手入法
鉄鍔(刀匠鍔・甲冑師・無象嵌の地透鍔)の手入れ、ことに地鉄のよい鍔の手入れで注意すべきことは梅雨になる以前に手入れをすまして、箱にいれておくがいいとされています。
もし箱に入れない場合は、その期間一切手を触れないのがいいとされています。
梅雨中とりだしておけば、油気が浮きでて手に触れれば、指の跡がつくほど湿気を含むものです。
これを木綿でふけば油気がことごとくとれ、地鉄の色があらわれてくるので案外おもしろく思うこともありますが、その翌日ごろよりたちまち胡麻錆をふきだし、毎日ぬぐっても、暑中が終わるころまで、およそ五、六十日間もやらなければとれないといわれています。
そうなった場合は、鹿角や木綿類、あるいは歯磨や楊子で拭きこむことです。ともかく辛抱強く、丹念に抜きあげることが肝要です。
地鉄の荒れた鍔には、椿油、または丁子油の類を付け、木綿の布で拭って手入れするのが一般の常識となっています。
こうして箱にいれておき、梅雨期がすぎて一ヵ月ばかりののち、とりだしてみると、白い黴がついています。
これを木綿で拭いとると油がよくおちて見栄えのするものとなります。
以上転載おわりです。
中々興味深いです、この本は昭和47年発行と、時代が古く、他にも興味深いことが書いてあるので気が向いたら紹介したいと思います。
しかし、私は油はつけては駄目だと教わったんだがな・・・
やはり、色々な方法を試してみるのも面白いかもしれない。
無論、時代を損ねない程度にという事です。
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