2019年4月6日土曜日

今からバイク整備士を目指す人に、バイクの整備士を辞めた私がアドバイスしたい事・・・

さて、長い間この件は記事に絶対したいと思いつつ、長い期間が過ぎてしましました。

今の時代、バイク整備士になりたい人なんているのかなぁ?なんて思うのですが、一定数はいる筈なので約10年間程バイク業界にどっぷり漬かっていた僕から今後バイク整備士になりたい人へアドバイスをしたいと思います。


まずは、簡単に僕の経歴を紹介します。

18歳から某H社のバイクディーラーに社員として勤め始めました。
ウ〇ング店ですので、ここで当時18歳の僕は接客&整備を叩き込まれました。

入社当時は整備士免許なんて持っておりませんので、会社に勤めながら整備士を目指すといった形でした。


業務内容としては

・車両販売
・修理/カスタム
・配達/引き取り/登録/車検

です、業務に関するものとしては、経理やバイクの車体仕入れ経営判断以外の全てを行っていた感じです。

と言うか、大体のバイク屋さんではまず入社したらこの業務をやらされると思います。
これが出来ないと話になりません。


さて・・・ここは酷いブラックな場所でして朝一出社からの午前様退社なんて事が連日続きました。(これは入社してから辞めるまでほぼ毎日続きました。)

週一回の休みがあり、有給はありません、ボーナス無し、給料は手取り12万位だったと記憶しています。


ここでの筆舌に尽くし難い経験&話を書いていたら、今後バイク整備士を目指す人にとってのアドバイスも出来なくなってしまうので、とりあえず保留致します。


このバイクディーラーには約4年強いました。
この年月は2級二輪自動車整備士になる為に我慢した年月です。

会社自体は免許を取る為に辞めなかったんです。
僕の場合は機械科卒業だったので通常よりはとれる期間が短いものの、仕事業務との並行では4年強かかりました。


2級二輪自動車整備士になれば、オートバイや原動機付自転車の整備全般を単独で行うことができます。
受験資格は自動車、機械等に関する課程を修めていない人の場合はまず3級二輪自動車整備士に合格し、さらに3年以上の実務経験が必要となります。
大学または高等学校で、機械科や自動車科を卒業している人の場合は、3級二輪自動車整備士に合格した後、1年6カ月(大学卒)以上か、2年以上(高等学校卒)の実務経験が必要です。なお、自動車整備専門学校(2級整備士養成課程)を修了している人の場合は、卒業と同時に2級二輪自動車整備士の受験資格が得られます。



2級二輪自動車整備士の資格を取ってからこの会社はスグに辞めました。
ハッキリ言って資格があれば、この会社に居続けるのは時間の無駄ですから。



その次に入社したのが、ヤフオクをメインに販売している所でした。
23歳か24歳位だったのかなぁ?(かなりうろ覚え・・・)

ここではネットと言う物での販売ノウハウを主に勉強致しました。
ちなみに、整備、販売、接客、+ネット販売での出品、発送ですので目が回る忙しさでしたね。

ここも数年で辞めて、バイク便として働いていた事もあります。



バイク整備士として最後に入った会社もネット販売が主なバイク屋さんでした。
ここでは外車から国内メーカーまで国内で流通しているバイクメーカーならほぼ全て弄らせて頂きました。



以上簡単になりますが、僕の経歴です。
合計で10年ほどバイク整備士として生活しておりました。

狭い業界ですので、一応ボカシてはありますのでご了承ください。



さて、本題に入ります。


貴方はバイクが好きですか?

好きすぎて夜も寝れない位ですか?
バイクに乗って何処までもいけますか?
バイクだけに一生を捧げても後悔しないですか?
その熱意は死ぬまで絶対に冷めないですか?
金、時間、健康や精神を犠牲にしてもなりたい職業ですか?


ちなみに当時の僕は上記の質問の全てにYESでした。
さらに言うとバイクと言う乗り物に対する以上の価値観を求めてもいました。
「バイクはバイクそれ以上でもそれ以下でもない」この言葉は当時の僕には全く届きませんでした。


今は流石に当時と心持も違いますので割愛しますが、これ位の気持ち、熱意が無ければ絶対に挫折します。
無理です、諦めた方が貴方の為です。



労働環境を説明すると

●寒い、暑い、汚い、危険、薄給、ハラスメント多数です。
●社会的常識、モラルが無い人が非常に多い(店舗、お客含む)
●平均年齢層も高く非常に古い価値観で構成されている(店舗、お客含む)

です。

この話を聞いて一部の店舗だと思いますか?
いえいえ、そんな事は無いでしょう・・・恐らく9割位は過酷な状態だと思われます。



それでもバイク整備士になりたいと思う貴方。
将来的にはどうしますか?

●独立開業する?
●入社したバイク屋さんに終身雇用ですか?


独立するにしても、実家はお金持ちですか?援助してくれる人は?工具や機材は?バイクの仕入れ代金等は給料から用意出来そうですか?

入社したバイク屋さんに就職するにしても、定年まで居れそうですか?
福利厚生はちゃんとしていますか?経営状態は?給料は年々上がっていってますか?


正直に言って、独立にせよ終身雇用にせよ傾斜産業&人手不足の現状では明るい未来になるのかなぁ?と思います。






これまでの文を読んで、「それでもバイク整備士になりたい」「俺はやるんだ」って情熱のある人には、僕自身嬉しいのでちゃんと建設的なアドバイスを致します。



まず、入社するバイク屋さんを本気で選びましょう。



●新車をメインに扱う大手のバイク屋さん。(正規ディーラ含む)

・販売するバイクは新車や比較的高年式のバイクが多数で、旧車が入ってくる事は稀。
 お客さんが修理で持ち込むバイクもその傾向あり。

・こういった店舗では、旧車や古いバイクに対するトラブルや対応の経験が積み難い。
 その反面、最近のバイクでほぼ使われている診断機が使用出来たり、そういった経験は積める。

・ちなみにエンジンまで開ける頻度はかなり少ない筈・・・お客さんの層もそこまでやるなら買い替えといった層が殆ど。

・フルカスタムと言える程の依頼も殆ど無い、軽いカスタム程度なら結構あり。

・BMWやハーレー等の外車ディーラーの場合はお客さんもリッチな場合が多い、その分かなりキチンとした接客が求められる。
知り合いから聞いても外車ディーラーは営業と整備部門をキチンと分けている所が多い。



●レストアや旧車のバイク屋さん。(族車含む)

・新車販売?何それオイシイの?状態。

・旧車や古いバイクの販売もしているが、お客さんからの修理やカスタムの依頼が殆ど。

・お客さんのバイクでも、旧車&族車にはかなり高額のカスタムや拘りが発揮(高額な依頼も来る)されている&スイッチが入ると怖い人が多いので非常に気を使う。

・旧車特有の相場観が身に付く、これは車体だけではなく当時物パーツの相場も判るようになってきます。(黄ばみウインカーとか笑)

・修理の経験はかなり積めます、現在のバイクは診断機が無くてはエラー解除も出来ない車種もあったりしてディーラー以外では手を出せない事があります。
旧車やある程度古いバイクはそんな事が無く、経験からトラブルシューティングしていって原因を特定した時の喜びは整備士明利に付きます。

・非常に多彩なノウハウが身に付きます&横の繋がりが広くなる傾向あり。



●特定車種特化型(Z系、GPZ系、ハーレー系 等々)

・特定の車種の整備やカスタムに特化したバイク屋さん。
足回りやフレームを含めてのノウハウがある場合が多数なので、その車種においてのカスタムではトップクラスの地位を誇る。
大体雑誌の常連だったりする(ロードライダーとか・・・)

・カスタム好きにはたまらない、雑誌でしか見れない高額パーツに触れる、弄れる、乗れる(試乗等で)その機会があります。

・お客さんもかなりお金をかける人が多くて、依頼される場合はかなりの金額になる事もあり。

・整備士として入社した場合、その車種に対するノウハウは身に付くのだが、独立する時にはそのノウハウは上手く使えるようにしなくては、今まで居た会社の商売敵になってしまう。(穏便にいけばいいですがね・・・)

・ざっと店舗外観を見てもお金が掛かっている&儲かってそうな事が多い。





こんな所ですかね・・・
他にも色々なバイク屋さんがあるのですが・・・
レース活動を主にしている所とか、輸出屋さんとか上げたらキリがないのですが、取り敢えず上記の3種が一般的でしょう。

取り敢えず好きな所を選んでください。

個人によって好きなバイクの傾向も違いますし、僕は旧車に触れるうちに、18歳頃にはあまり好きではなかった旧車が大好きになりましたし、族車にも興味がわくようになってきました。


ただ、個人の傾向によってどこを選んでも良いと言ったもののそれでは無責任すぎるので、1個だけアドバイスをします。

どの様なジャンルのバイク屋さんでも、その中で限りなく上位のお店を選びましょう。
ネームバリュー、ノウハウ等何でも良いのですが、中途半端なお店に行くと中途半端な結果にしかなりません。

どうせならば、ダメもとでお店に面接に行きましょう。
そして、整備士免許が無くても熱意を伝えて下さい。

お店にとっても、若い情熱のある人が来てくれるのならば嬉しい筈です。
駄目で元々、取り敢えず行ってみましょう。


僕は、たまーに趣味程度でバイクに接する方が良いというスタンスになってしまいましたが、これからバイク整備士を目指す人にはその情熱を絶やす事なく頑張って頂きたいです。


整備士の工具編とかも書きたかったんだけど、又機会があったらですね。

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